工場派遣の最大のメリットは、学歴・職歴やスキル不問で誰でもすぐに仕事が見つかることです。元気な身体とやる気さえあれば、後は何も必要ありません。
さらに、時給相場が高いので、スタートからある程度の収入が確保できるでしょう。とはいえ、工場派遣ならではのデメリットがあるのも事実です。
そこで今回は、工場派遣のメリット・デメリットを実体験を踏まえて解説していきます。あなたに合う働き方なのか、チェックしていきましょう。
派遣会社2社、3工場で働きました。客観的事実と併せて主観的な補足も交えていきます。
【本記事で知れること】
工場派遣とは
工場派遣とは、その名の通り工場の派遣社員として働くことです。派遣の雇用形態には、以下の2つがあります。
- 同じ工場で3年まで働ける有期雇用派遣
- 同じ工場で無期限で働ける無期雇用派遣
一般的には、3年ルールが適用される有期雇用契約が多いです。ただし、勤怠が良好な場合、信頼を得られた人などは途中で無期雇用契約に切り替えてくれるケースがほとんどです。
それぞれの違いについては、以下の記事をご参考ください。
工場派遣の仕事内容
工場派遣には、主に以下の3つの仕事に分類されます。
- ライン作業…製品を複数人で完成させる流れ作業
- 供給作業…部品・材料を仕分け・供給する作業
- 管理作業…工程や品質、設備を管理する作業
ライン作業や管理作業は「製造業」に該当します。一方で、供給作業や梱包・ピッキングなどは「軽作業」として分類されるケースが多いです。
きつさでいえば、もちろん製造業の方がしんどいですね。ただ時給がその分高めに設定されています。
仕事内容に関して詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
工場の派遣社員で働く10のメリット
それでは本題へいきましょう。工場派遣のメリットは、以下の通りです。
- 未経験から高収入が目指せる
- 短期・長期で自由な働き方が可能
- 担当者のサポートが手厚い
- 40代・50代でも採用されやすい
- 女性活躍の求人が多い
- 仕事の選択肢が幅広い
- 寮付き求人が豊富
- 日払い・週払いなど前借りが可能
- 人間関係が比較的ラク
- 大手メーカーで働ける
メリットはたくさんあるので、気になる部分だけ目を通してください。それでは、解説していきます。
未経験から高収入が目指せる
工場派遣は、未経験から高収入が目指せる仕事です。大手派遣会社「ランスタッド」によると、70%以上が未経験から働いています。
さらに、工場系のお仕事の派遣時給相場は、以下のようになっています。
参考元:求人ボックス
かなり高いわけではありませんが、経験なしでこれだけの時給貰えるのってありがたいですよね。週休二日制の1日8時間勤務なら、月収20万~25万円は軽く稼げます。
1社目時給1,300円、2社目1,600円、3社目1,500円でした。少ない時でも手取り20万円は切っていません。ただ、残業と夜勤があっての話ですけどね。
短期・長期で自由な働き方が可能
工場派遣は、短期・長期が自由に選べます。要は、辞めやすいってことですね。
基本は契約制なので、3ヶ月や6ヶ月ごとに更新されます。ここで更新しないなら退職になるし、更新すれば有期雇用で3年、無期雇用で定年までです。
さらに、あらかじめ短期派遣として求人を出している工場もあります。退職を伝えるのが苦手な人、転職の繋ぎで利用したい人は、登録時の面談で担当者に伝えましょう。
担当者のサポートが手厚い
工場派遣の担当者は、親身な人が多いです。なぜなら、担当者の多くが工場派遣を経験して正社員にキャリアアップしているからです。
同じ境遇で働いてきたので、ならではの悩みやしんどさを十分に理解しています。加えて、担当者としての資質がある人しかキャリアアップできていません。
悩み事があれば相談に乗ってくれるし、パワハラやセクハラなど人間関係のトラブルがあったらあなたの味方になって立ち向かってくれます。
秘密はしっかり守ってくれるので、小さなことでも遠慮せず打ち明けてください。
育児や家事の関係で残業ができない女性がいたんですが、派遣会社が工場に話して定時勤務に変更になりました。パワハラ問題にも立ち向かい、雰囲気の良い職場へ異動した男性スタッフもいます。
40代・50代でも採用されやすい
工場派遣ならではのメリットですが、40代・50代の未経験者でも高い確率で採用されます。別職であるオフィスワークや介護、ITなんかは経験者じゃないと採用してくれませんからね。
さらに、身体的負担の軽い梱包や仕分けなどの軽作業もあるので、採用後は長く働くことが可能です。
求人を探す場合は「40代・50代活躍中」「シニア活躍中」に着目しましょう。
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女性活躍の求人が多い
工場と聞くと男性というイメージが強いですが、女性活躍の求人も多いです。
軽作業はもちろんですが、製造業のなかにも身体的負担の軽い検査工程やセッティングなどがあります。
そのため、男性と変わりない時給で工場で働くことが可能です。ネイルや染髪自由の仕事、育休・産休ありの仕事もあるので、細かな条件を派遣会社に伝えましょう。
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仕事の選択肢が幅広い
工場は、かなりの数存在します。そのため、仕事の選択肢が幅広く、あなたに合った求人が見つかりやすいです。
工場の主な職種と業種は、以下の通りです。
職種 | 業種 |
---|---|
組立、検査、塗装、プレス、溶接、鋳造、研磨、旋盤・加工・成型、マシンオペレーター、洗浄、ハンダ、機械製造、部品供給、フォークリフト、クレーン・玉掛け、重機等車両操作、軽作業・梱包、メンテナンス・保全、CAD、技術(電気系)、生産管理 | 自動車、半導体、液晶、食品、住宅、印刷、精密機械、機械加工、金属加工、石油化学、紙・パルプ、ゴム、電子、電気 |
求人サイトを見て応募することも可能ですが、面接官に条件を伝えるとあなたに合った仕事を探してくれます。
同じ業種・職種でも工場によって仕事内容が異なるので、じっくりと選んでみてください。
寮付き求人が豊富
工場派遣は、寮付き求人が豊富です。工場派遣の寮の特徴は、以下の通りです。
- 敷金・礼金不要
- 家具・家電付き(レンタル)
- 1Rアパートが中心(一部社員寮)
- 赴任費用支給(会社規定有り)
- 駐車場付き
- 工場に近くて通勤がラク
- 寮費・光熱費無料の求人有り
- 寮費・光熱費は給料天引き
要は、初期費用なしで仕事と住む部屋が見つかるってことです。しかも1人暮らしが基本なので、プライベートがかなり充実します。
派遣会社のなかには、ペット可やカップル可、家族寮を用意しているケースがあるので、一度ご相談してみてください。
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日払い・週払いなど前借りが可能
工場派遣は、日払い・週払いなど前借りが可能です。全ての工場・派遣会社が可能なわけではありませんが、基本的には福利厚生に含まれています。
現在手持ちが不安な人にとってはかなりありがたいですよね。冠婚葬祭や飲み会など急な出費の備えにもなるので、ぜひ活用してください。
大手派遣会社の多くは、スマホ1つで申請・入金が完了します。
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人間関係が比較的ラク
工場派遣は、人間関係が比較的ラクです。なぜなら、1人でのモクモク作業が中心だからです。
仕事の指示以外は、ほとんどコミュニケーションを取る機会がありません。そもそも、工場って作業が中心の仕事ですからね。
そのため、人との関りを持ちたくない人にはおすすめです。
大手メーカーで働ける
工場派遣なら、トヨタやデンソー、東芝など大手メーカーで働くことができます。
大手メーカーの仕事は時給が高く、高額な祝い金が用意されています。なかには100万円を超える祝い金が貰える工場もあるので、短期間で大きく稼げるでしょう。
その分仕事はきついですが、年収500万円超えも夢じゃありません。
2社目に大手メーカーで働いた時、時給1,600円+祝い金60万円でした。月平均35万円稼げたんで、2年で借金400万円返済できました。
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工場の派遣社員で働く5つのデメリット
メリットだけ見ると「よし!働こう!」と思うかもしれませんが、すぐに辞めないためにはデメリットを知っておく必要があります。
工場派遣のデメリットは、以下の5つです。
- 体力が必要
- 昇給・昇進がなくキャリアアップができない
- 単純作業が中心になる
- 夜勤・残業がきつい
- 社員・上司と合わない可能性がある
デメリットに目を通し、本当に働いて問題ないか判断していきましょう。
体力が必要
工場勤務は、体力が必要な仕事です。ライン作業なら動きっぱなしになるし、供給作業だと歩きっぱなしになります。
一方、梱包や検査などは身体的負担は軽いです。ただ立ち作業にはなるので、慣れるまではきついかもしれません。
実際には、ライン作業のきつさも工程によりけりなんですが、ある程度の体力は必要だと考えておきましょう。
昇給・昇進がなくキャリアアップができない
工場派遣には、昇給・昇進がありません。そのため、派遣である以上一生同じ賃金で働き続けることになります。
とはいえ、責任を負う業務に携わらないことから、協力して家計を支える家族がいるなら精神的負担を軽くして安定した収入を得られるでしょう。
派遣会社の多くは、キャリア相談を実施しています。資格取得支援やキャリアアップの提案をしてくれるので、ぜひ活用してみてください。
単純作業が中心になる
工場派遣は、単純作業が中心です。そのため、飽きやすく時間が経つのが長く感じます。
正社員は工場の仕事を多岐にわたって覚える必要がありますが、派遣は1つの工程を任せられるだけですからね。仕事にやりがいを求める人は苦通に感じるかもしれません。
ただその分、仕事を覚えるハードルは低いです。簡単な作業なら1週間程度、難しい工程でも1~3ヶ月程度で習得できるので、覚えるストレスは少なく済むでしょう。
夜勤・残業がきつい
夜勤・残業がある工場で働くと、慣れるまでは結構しんどいです。
残業は言わずともですが、問題は夜勤ですね。明るい日中の睡眠は熟睡できないし、交代勤務だと生活が不規則になって疲労が癒えません。
その分時給が25%プラスされますが、稼ぐためには身体が資本です。どうしても耐えられない人は定時の仕事もあるので、求人紹介時に伝えておきましょう。
派遣会社によっては「定時の仕事はない」と言う担当者もいます。ただ間違いなく定時の仕事はあります。惑わされないようにしましょう。
社員・上司と合わない可能性がある
人間関係がラクといいましたが、社員・上司が合わないケースはあります。関わることは少ないにしても、きつい一言って大きなストレスですからね。
人間関係のストレスは、仕事をする以上一番の悩みです。厚生労働省による人間関係で離職した人の割合は、以下のようになっています。
年代 | 割合 |
---|---|
総数 | 17.7% |
15~19歳 | 33.2% |
20~24歳 | 27.0% |
25~29歳 | 14.2% |
30~34歳 | 13.6% |
35~39歳 | 14.0% |
40~44歳 | 17.5% |
45~49歳 | 25.7% |
50~54歳 | 24.0% |
55~59歳 | 15.0% |
60~64歳 | 17.3% |
65歳以上 | 14.9% |
約5人に1人は人間関係に悩みを抱えて離職しています。派遣社員だけのデータじゃないので新卒となる20代前半も高くなっていますが、注目したいのは40代です。
中途採用が多くなる年代であることから、急激に高まっています。おそらく若い世代が上司になること、その人たちに厳しい言葉を投げかけられるのが要因かと考えられます。
とはいえ、社員・上司の全てが人間性に問題を抱えているわけじゃありません。一部の人間だけなので、大きな心配をする必要はないでしょう。
人間の仕組み上、年齢を重ねると覚えるスピードと身体的能力が低下します。強く当たられた時には、すぐに担当者へ伝えましょう。
工場派遣についてのQ&A
- Q未経験におすすめの派遣会社は?
- A
未経験率が70%を超えるランスタッドがおすすめです。
求人が1万件以上と圧倒的な数を誇り、身体的負担の軽い軽作業から高時給の製造業まで幅広く取り扱っています。
前借り可能で寮付き求人も豊富なので、ぜひお仕事の相談をしてみてください。
- Q女性におすすめの派遣会社は?
- A
テンプスタッフです。
女性のお仕事を専門に掲載しており、事務やテレマーケティング、製造業や接客業など幅広く取り扱っています。
求人数は全国で6万件を超えているので、希望に沿ったお仕事が見つかるはずです。
- Q派遣から正社員にはなれる?
- A
なれるけど可能性は低いです。
そもそも、工場で派遣が多いのはいつでも契約を切れるからです。新卒で入社したい若者は多いわけだし、積極的に派遣を正社員雇用しようとはしません。
今の工場で正社員を目指したいと思った時は、まず派遣会社に相談してみてください。場合によっては、紹介予定派遣で契約を進めてくれるケースがあります。
- Q派遣と期間工の違いは?
- A
期間工は工場に直接雇用の有期契約社員です。
派遣は派遣会社雇用なので、まず雇用形態に違いがありますね。また、給料も異なり、期間工は基本給+慰労金・満了金、派遣は時給×勤務時間+祝い金です。
期間工の方がトータル稼げるものの、最大2年11ヶ月までと法律で定められています。
- Q紹介予定派遣ってどんな働き方?
- A
工場に直接雇用前提で派遣として働くことです。
派遣社員として試用期間(最大6ヶ月)を経て、工場が必要な人材と判断してくれれば無事直接雇用となります。
ただし、直接雇用=正社員ではありません。契約社員として雇用される可能性もあるので、あらかじめ踏まえておきましょう。
まとめ
本記事では、工場派遣のメリット・デメリットについてまとめました。
最後に持論を述べますが、20代~30代の独り身は工場派遣はあくまで繋ぎと考えた方が良いです。日本の平均年収は460万円なので、年齢を重ねるにつれて低収入の枠に突入します。
工場派遣の最大のメリットは「未経験」から年収300万円~400万円を目指せることです。
生活自体は安定するので、工場派遣で2~3年働く間に新たなスキルや資格を取得して正社員を目指しましょう。
「性別・年代別のおすすめ派遣会社」と「30代から新たな道へ挑戦した体験談」を本サイトで掲載しているので、何かしらの参考にしてください。
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