「工場で派遣から正社員登用を目指したい!」「そもそも本当に登用されるの?」
結論からいうと、正社員登用の可能性はあるっちゃあるけど可能性は低いです。
とはいえ、私は実際に正社員の打診をされたし、大手メーカーで正社員登用された人もいました。
そこで本記事では、工場派遣から正社員登用を目指す方法を紹介します。
ポイントをおさえれば可能性がグンと高まるので、ぜひ参考にしてください。

正社員登用とは

正社員登用とは、派遣や契約社員で働く人が会社の評価や条件を満たすことで正社員になれる制度です。
「頑張れば正社員にステップアップできるかもしれない」と考えるとイメージしやすいですね。
ただし、この条件・評価は会社ごとで異なり、最終的には責任者たちのさじ加減の部分もあります。
そのため、条件をクリアしても「この人は社員としてまではいらない」と不採用になるかもしれません。
最も重要なのは、工場からの評価だと考えておいてください。
「条件クリア」は登用の最低ライン、決め手は総合的な「評価」となります。
点数を付けにくい「コミュニケーション力」「責任感」「将来性」が評価ポイントになりやすいので、業務以外の取り組みも大事にしていきましょう。
工場で派遣から正社員登用される割合
派遣から正社員登用される割合は、年間5%~10%といわれています。
紹介予定派遣を介したデータなので、一般派遣からの入社だともっと低くなるでしょう。
実数値としては2%~3%程度でしょうか。
登用制度があっても、実際に採用するかはまた別の話になりますからね。
事実、登用制度の実績がある工場は50%以下とされています。
工場は喉から手が出るほど正社員を望んでいるわけではない

人手不足の製造業ですが、特別正社員がほしいとは思っていません。
理由は、以下の通り。
- 正規雇用すると解雇が難しい
- 景気や需要で工場の経営が傾く可能性がある
- 作業は派遣・契約社員で事足りる
工場の経営が厳しくなれば、派遣切りまたは契約更新しなければいいだけの話ですからね。
一方で、景気の良い時期や繁忙期は、給与を好条件にすることで派遣・パートを一気に集められます。
雇用リスクを背負ってまで、正社員をほしがっていないのが現実です。
正社員登用しない代わりにあるのが「無期雇用派遣」
派遣の3年ルールは雇用が安定しないことから、現在は派遣社員も同じ事業所で期限なく働けます。
この制度がいわゆる「無期雇用派遣」。しかし、無期雇用派遣にも派遣切りが存在します。
そもそも、派遣は有期契約制。2か月~3か月ごとに更新していくのですが、労働者はもちろん工場も「更新しない」という手段を取れるんです。
結論、派遣は都合の良い人材ってことですね。
「長く働いてほしいけど、経営が厳しい時はごめんね」って感じで、上手に無期雇用派遣制度を利用しています。
それでも正社員のチャンスがあるのが登用制度
ここまで聞くと「じゃあ無理じゃん」と思うかもしれませんが、全然チャンスはあります。
そもそも、派遣を利用する人って一時的な理由が多いんですよね。例えば、転職の繋ぎとか短期間でお金を貯めたいとか。
辞める前提で働いていることを工場側はわかっているので、手放したくない人材がいれば正社員登用してでも引き止めたい。
要は、工場が喉から手が出てもほしい人材になればいいんです。
正社員登用されやすい人の特徴を次で紹介するので、見ていきましょう。

工場派遣で正社員登用される人の特徴

勤怠が良い
当日欠勤・遅刻早退がないといった勤怠の良さは、正社員登用の最低条件です。
悲しい話ですが、例え体調不良でも休みを繰り返すと一気に難しくなります。
どうしても「体調管理ができない人」と判断されますからね。
また、工場は古い考えが残りがちなので「休む=悪い」と捉えられやすいです。
真面目で責任感が強い
勤務態度を良くし、真面目に取り組む姿勢があるかどうかも最低条件の1つです。
与えられた仕事を責任持ってこなし、不要な私語や過度なトイレ休憩は少なくする。
社員さんも話したりしてるんで会話が悪いことはないんですけど、状況はわきまえたがいいですね。
また、問題が生じた時に人のせいにせず、自分の責任と捉え改善していくことも大事になってきます。
真面目さ・責任感は人間性が見られるポイントです。
他責ではなく「自責」を意識しましょう。
仕事がこなせる・ミスが少ない
与えられた仕事を問題なくこなせ、不要なミスが少ないことが求められます。
いわゆる能力的な条件ですね。いくら真面目でも、仕事ができない人をわざわざ正社員登用しようとは考えません。
「わからないことは聞く」「メモを取る」「シミュレーションをする」など、日々の工夫を積み重ねましょう。


コミュニケーションスキルが高い
コミュニケーションスキルは、評価ポイントの1つです。
まずは、笑顔で挨拶をし、日々のやり取りはハキハキとしゃべること。
加えて、社員だけでなく派遣・同僚と仲良くでき、新人や年下・年上、仕事ができない人でも大切に扱う。
正直、極端にコミュ力が高い必要はありません。人として最低限の気配りができれば、正社員登用のチャンスは出てきます。
工場の要望に応える人
これ現代社会にそぐわない考えなんですけど、残業・早出や休日出勤に応えてくれる人がどうしても好かれます。
現実、工場はまだまだブラックと感じやすい環境が抜けきれていないんですよね。
3工場経験し、同僚に他の工場の話も聞きましたが、どこも長時間労働を強いられています。
ただ、これは社員さんの話。派遣は組合・法律が強いので、定時で帰れるケースが多いです。
工場の正社員になった後に待つ現実と考えておいてください。
とはいえ、サービス残業や45時間を超える違法残業がある工場とは出会ったことがありません。
あくまで残業が多めってだけで、残業代はもちろん支払われます。
ホワイトカラーの工場もあるが正社員登用は厳しい
もちろん、ホワイトカラーの工場も存在します。ただし、正社員登用までたどり着けるかと聞かれると…正直厳しいです。
ホワイトの工場は、離職率が低いですからね。人員が定着しているし、求人も人気で枠がすぐ埋まります。
悲しい現実ですね。
向上心が強く成長が望める20代
20代というだけで、正社員登用の可能性が一気に高まります。なぜなら、将来性が見込めるためです。
ここで求められるのが、向上心とチャレンジ精神。みんなが嫌がる仕事でも積極的に取り組み、自らの成長とともに工場の経営に貢献していく。
例え仕事の覚えが遅くても、やる気を感じられたら社員さんたちが大切に扱ってくれます。
若者は分け隔てなく接してくれやすいので、年齢のチャンスを活かしていきましょう。

工場派遣で正社員登用を目指す方法

工場経験者は紹介予定派遣が現実的
工場経験者なら、紹介予定派遣を検討してみてください。
紹介予定派遣とは、直接雇用を前提として派遣で働く制度です。
試用期間は最大6か月。明確な条件が提示され、クリアとともに高い評価を得られれば無事直接雇用されます。
しかし、必ずしも雇用されるわけではありません。使用期間内に「不要」と判断されたら、そのまま派遣として工場で働くor辞めるの二択を余儀なくされます。
加えて、紹介予定派遣はあくまで「直接雇用」なので、正社員ではなく契約社員として雇用されるケースもあります。
とはいえ、一般派遣に比べると、正社員雇用の可能性は高いです。一度派遣会社に相談してみてください。
工程選びが重要
派遣で補える工程は、正社員登用される可能性が低いです。
なぜなら、代わりはいくらでもいるから。
「この工程は厳しい」とか「この工程ならおすすめ」と断定できませんが、専門性が高い方が正社員登用されやすいでしょう。
逆に、例えきつくても、労働力で補える工程は難しいかと。工場は肉体労働が得意な人が集まりやすいので、結局派遣で補えるよねってなっちゃうんです。
未経験から正社員登用を目指す人は、応募時に派遣会社へ伝えてみてください。
過去の傾向と現状から、可能性が高い工場を紹介してくれます。
派遣会社のサポートを受ける
正社員になりたい人は、派遣会社のサポートを受けましょう。
登用されやすい工場を紹介してくれるのはもちろんですが、条件として何が必要なのか、現状の評価がどのくらいなのか逐一教えてくれます。
加えて、あなたの意向を工場へ伝えてくれ、工場側が意向をくみ取りさまざまなチャンスを与えてくれるのも理由の1つ。
後押しがあるのとないのでは全然違うので、派遣会社に希望を打ち明けましょう。

大手ではなく中小企業を選ぶ
正社員登用は、大手より中小企業の方が可能性が高いです。
【大手の特徴】
- 登用制度が整っている分、面接や試験など難易度が高い
- 福利厚生・待遇の充実度から競争率が高い
- 数年単位の勤続実績・評価が必要
【中小の特徴】
- 登用基準が甘く、難易度が低い
- 人手不足の工場が多く、即戦力を求めている
- 勤続年数の基準が定められていないケースがある
簡単な話、中小だと「この人は正社員でほしいな。よし、声をかけてみよう」くらいで登用されるチャンスがあるってことです。
一方、大手は登用基準をクリアして初めて選考に入りますからね。しかも、競争率の高さから、クリアした後のハードルがかなり高いです。
待遇面は大手に比べて劣りますが、一生派遣で働くより確実に安定するでしょう。
最低1~2年は働く
最低1~2年は働く気持ちを持っておいてください。
いくら中小でも、たかが数か月で登用まで至るのは難しいです。
石の上にも三年と言いますが、あなたの実績が評価されるまでに時間がかかります。
日々の積み重ねが評価へ繋がり、我慢・辛抱した結果、正社員の道が開かれると考えておきましょう。

【体験談】工場派遣から正社員登用の打診をされた話

私は実際に、工場から正社員登用の打診を受けました。
工程は、オペレーター業務。約1年半勤務し、嬉しい言葉をもらっています。
ただし、毎日30分の早出、定時で帰れることもありましたが、状況に合わせて30分~2時間程度の残業をしていました。
有給は工場の都合に合わせて取り、当日欠勤・遅刻早退は一度もありません。
でも、意外ときついって思わなかったんですよね。だって、責任は重いけど、労働面では楽だったから。
あとは、人間関係が良かったこと。そして何より、以前はもっと悪環境で働いていたので、単に感覚がマヒしてるんだと思います。
一生工場で働く気がないから結局断りましたが、誰でもチャンスはありますよ。
最初からライン管理に配属されたわけではなかった
私は最初、オペレーター補助として誰でもできる工程に配属されました。
そこから約4ヶ月くらい働いて、オペレーターに昇進しています。
その背景にあったのは、人材が足りなかったこと。要は、タイミングと運が良かったってことですね。
その後は直接オペレーターで入社した派遣もいるし、私は結構特例だそうです。
未経験者は最初から責任ある工程に配属されにくいですが、タイミングと評価次第で正規雇用の可能性が出てきます。
大手メーカーは正社員登用される雰囲気じゃなかった
約2年近くトヨタ自動車で働いたんですけど、その時は正社員登用される雰囲気が全くありませんでした。
配属されたのは組立工程。仕事はかなりきつかったですが、慣れれば誰でもこなせる工程です。
率直に、代わりがきくからでしょうね。あとは、アピールしなかったこと。
社員さんやリーダーさんたちが企画して送別会まで開いてくれたけど、仲良いのと正規雇用はまた別の話。
責任者たちが評価しない限り、正社員登用は難しいのが現実です。
同じ工程の派遣は正社員登用された
同じ工程だった20代の派遣さんは、正社員としてトヨタ自動車で働いています。
この彼は、自ら「正社員を目指したい」と社員さんたちにアピールしていました。
加えて、在籍している派遣会社にも日々相談し、協力を促す。さらに、毎日のように社員さんと一緒に居残りしていました。
結果、契約社員いわゆる期間工の試験に受かり、正社員登用されています。
今でもたまに連絡を取り合いますが、結婚してマイホームを購入し、幸せな家庭を築いているようです。

正社員登用におすすめの派遣会社

まとめ
今回は、工場派遣の正社員登用について紹介しました。
ハードルは高いですが、正社員の可能性は0ではありません。
そのためにも、まずは派遣会社に意向を伝えること。
可能性が高まるのはもちろん、あなたに合った工場・仕事を紹介してくれます。安定を掴み、楽しいライフワークにしていきましょう。

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