上記の疑問を抱く方は多いのではないでしょうか?
簡単に言うと、派遣会社の無期雇用契約を結んで派遣先で働くといった感じです。
ただ、正社員ではなくあくまで派遣契約。とはいえ、正社員のような安定が掴めるのも事実です。
そこで本記事では、無期雇用派遣の概要と正社員・一般派遣との違いを分かりやすく解説します。
結構複雑な仕組みなので、ぜひ参考にしてください。
【本記事で知れること】
無期雇用派遣とは

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期雇用契約を結んで派遣先企業で働く雇用形態です。
期間を定めないで雇用される派遣労働者を『無期雇用派遣労働者』(法第30条の2第1項)といいます。
引用:厚生労働省
結論、雇用形態は派遣社員です。ただし、派遣会社の求人には「正社員」と記載されることがあります。
この定義が若干複雑なので、以下で詳しく解説します。
一般的な会社と派遣会社は定義が違う
派遣会社とは、厚生労働省から労働者派遣事業の認可を得た会社のことです。
要は、派遣を行える特別な会社ってことですね。法律でも「労働者派遣法」と独立して定められています。
そして、派遣会社の場合は「正社員」「無期雇用派遣」「有期雇用派遣」の3つがあります。
この「無期雇用派遣」が、労働者派遣法にしかない雇用形態ってわけです。
かなり特別な扱いなので、次を見ていきましょう。
派遣切りに遭っても雇用契約が続く
無期雇用派遣にも、派遣先から派遣切りはあります。ただし、派遣会社との雇用契約は切れません。
ここが、無期雇用派遣が「正社員型」といわれる大きなポイントです。
法律上「雇用の安定」を目的に定められた制度なので、簡単に雇用契約を切れないわけです。
雇用契約が続くということは、下記のメリットが受けられます。
待期期間も給料の保証がある
無期雇用派遣で働き先を失った場合、雇用が続く限り給料の保証があります。
一般的には最低保証で最低賃金程度しかもらえませんが、もらえるだけいいですよね。
そして、新たな派遣先が見つかったら再び仕事がスタートし、新たな契約を結んで賃金が支払われるといった形です。
無期雇用派遣には3年ルールがない
無期雇用派遣は、いわゆる3年ルールが適用されません。
同一派遣先で10年でも20年でも期限なく働けます。
そのため「せっかく仕事を覚えたのに辞めないといけない…」なんてことはありません。
派遣先が契約を切らない限り、期限の定めなく働くことが可能です。
無期雇用派遣と他の雇用形態の違い
正社員との違い
正社員は、会社へ直接雇用です。
一方、無期雇用派遣は労働者派遣法に基づいた「間接雇用」になります。
| 項目 | 正社員 | 無期雇用派遣 |
|---|---|---|
| 雇用主 | 勤務先の会社 | 派遣会社 |
| 勤務先 | 雇用主の会社 | 派遣先企業 |
| 指揮命令者 | 自社 | 派遣先企業 |
| 法的根拠 | 労働基準法など | 労働者派遣法 |
| 雇用の安定 | 高い(特別な事情がない限り解雇できない) | 高め(解雇リスクは低いがある) |
| 待期期間 | 自社勤務のためなし | 派遣先と契約が切れたら発生 |
| 書類上の社会的認知 | 正社員 | 派遣社員 |
有期雇用派遣との違い
有期雇用派遣は、契約期間が設定された一時的な派遣契約です。
いわゆる3年ルールってやつですね。無期雇用派遣のように、同じ派遣先で働き続けられません。
とはいえ、派遣先を転々としながら同じ派遣会社で有期雇用契約を結び続ける人もいます。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、次の章をご覧になった上で検討してみてください。
無期雇用派遣で働くメリット

無期雇用派遣には、雇用の安定性や良い条件が揃っており、3年ルールの適用がないことや収入の安定、ボーナス支給などのメリットがあります。
無期雇用派遣で働くメリットは次の3つです。
- 3年ルールの縛りがない
- ボーナスありの派遣会社もある
- 収入が安定する
それぞれの理由について、詳しく説明します。
3年ルールの縛りがない
無期雇用派遣では、一般的な派遣社員に課される「3年ルール」が適用されません。
通常、派遣社員は同じ職場で最長3年までしか働けない制限が設けられているのですが、無期雇用派遣ではこの縛りがないため、3年以上同じ職場で働き続けられます。
職場の異動が少なく、同じ環境でじっくりとキャリアを積み重ねたい方にとって大きなメリットとなるでしょう。
また、長期的に安定した環境でスキルを磨くことで、より深い業務知識や専門性を身に付けることができ、結果的にキャリアの向上にもつながります。
ボーナスありの派遣会社もある
無期雇用派遣では、派遣元企業によってはボーナスが支給されることがあります。通常の派遣社員にはボーナスがないため、無期雇用派遣ならではの大きなメリットといえます。
さらに、派遣会社によっては基本給制を導入しており、収入面でも正社員に近い安定を得やすいです。
ただし、ボーナスの有無や支給額は派遣元企業によって異なります。契約前に条件をしっかりと確認しておきましょう。

収入が安定する
無期雇用派遣は、派遣先が決まっていない待期期間中でも給料が出ます。なぜなら、雇用契約を結んでいる以上賃金の支払い義務が生じるからです。
ただし、残念ながら最低賃金程度しか保証されません。就業規則や雇用契約書に記載された金額になるので、過度な期待は禁物です。
とはいえ、派遣会社からすれば、収入減がない派遣社員の雇用を維持するのはリスクしかありませんよね?
簡単に解雇できないのが無期雇用派遣なので、派遣会社はすぐに働き先を見つけようとします。よって、結果的に収入の安定へと繋がりやすいです。
無期雇用派遣のデメリット

無期雇用派遣には安定性が魅力ですが、やはりデメリットも存在します。ネガティブな事実を踏まえていないと、いざ働く際に後悔するかもしれません。
無期雇用派遣のデメリットは、次の3つです。
- 採用選考が厳しい
- 派遣先の異動を強いられるケースがある
- 有期雇用派遣より給料が下がることも
それぞれについて、詳しく解説します。
採用選考が厳しい
無期雇用派遣の採用選考は、有期雇用派遣と比べて厳しくなる傾向があります。なぜなら、無期契約を結ぶと簡単に解雇できないためです。
さらに、長く働いてもらうためにも、派遣元企業が長期的な視点でのスキルや適性を重視します。
そのため、ほとんどの派遣会社がいきなり無期雇用契約を結ぶことはありません。一定の期間有期雇用で働いた後に、無期雇用の打診をするのが一般的です。
派遣先の異動を強いられるケースがある
無期雇用派遣は、派遣会社に常に雇用されている状態です。そのため、派遣元から異動の指示があったら従わなければなりません。
とはいえ、派遣先と契約を結んでいる間に異動を強いられるケースは少ないです。あるとすれば、派遣先との契約が終わった後ですね。
場合によっては、自分のスキルや希望に合わないケースがあります。また、派遣先での部署異動も同様なので、念頭に置いておきましょう。
有期雇用派遣より給料が下がることも
無期雇用派遣は安定した収入が期待できる反面、有期雇用派遣に比べて給料が下がる場合があります。
よくあるのが、時給から基本給に変更されるケースですね。待期期間中の支払いや賞与を付ける代わりに、1日あたりの賃金が安くなったりします。
さらに、時給制じゃなくなれば、繁忙期は必然的に一般派遣の方が稼げます。残業や深夜手当も1日あたりの賃金から割増計算されるので「毎月の給料が下がった」と嘆く人も少なくありません。
一生派遣で働く気がないのであれば、有期雇用派遣の方がメリットが大きいです。

無期を打診された時、先輩同僚から「やめとけ。稼げんし後悔するぞ」と助言を頂きました。一方で「家族がいるし安定して助かる」という人もいたので、本当に人によりけりです。
まとめ
無期雇用派遣は、安定した雇用と収入が期待できる働き方です。ただし、異動の可能性や給与面での差があるため、自分の働き方・生活に合うかしっかりと検討することが重要です。
有期・無期のメリット・デメリットを理解し、あなたに合った安定したキャリアを選択していきましょう。
また、本サイトでは「工場派遣のリアル」や「おすすめ派遣会社」を紹介しています。気になる記事があれば、ぜひ役立ててください。





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