上記の疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、期間工と派遣のどちらが良いとは一概に言えません。メリット・デメリットは双方にあるので、人によりけりって感じですね。
本記事では、期間工とは何かについて解説していきます。派遣と比較しながら説明するので、あなたに合った働き方を探していきましょう。
【本記事で知れること】
期間工とは
期間工とは、メーカーに期間限定で直接雇用される働き方です。製造業メーカーが多く、自動車工場や半導体工場などが主となっています。
最大2年11カ月まで継続勤務が可能、契約が切れたらそこで終了となります。ただし、6ヶ月の猶予期間を挟めば再度同じ工場で働くことが可能です。
期間工と派遣の違い
期間工と派遣の違いを解説します。似た働き方ですが、異なる部分が多いです。
派遣について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
雇用形態の違い
期間工は工場に直接雇用ですが、派遣は派遣会社を介して工場で働く間接雇用になります。
【雇用主の違い】
- 期間工→工場
- 派遣社員→派遣会社
要するに、派遣は派遣会社の社員であって工場と雇用契約はないってことです。
給料も社会保険も雇用された会社から支給となるため、期間工は工場から、派遣社員は派遣会社からとなります。
働き方の違い
働き方に関しては、どちらも大きな差はありません。ただ強いていうなら、期間工の方が多くの作業を任せられる可能性が高いです。
派遣には労働者派遣法という法律が適用され、法と派遣会社にかなり守られています。トラブルが生じれば派遣会社が仲介するため、工場はあまり強く出られません。
一方で、期間工は工場の管理下にあります。雇用・労働の責任はメーカーなので、トラブルに発展しやすい残業などは期間工の方が多くなりやすいです。
正社員の可能性が高いのは圧倒的に期間工
期間工の方が労働過多になりやすいですが、その分正社員雇用の道が近づきます。なぜなら、有望な人材を手放したくないからです。
派遣にも有望な人材はいますが、そもそも一つの工程しかこなせてませんからね。残業が増えたり他の作業を与えたりして、同じように不満なくこなせるとは限りませんし。
期間工から正社員を目指す人は、日々アピールをしていきましょう。
待遇・給料の違い
某大手メーカーを参考に、期間工と派遣の待遇の違いを以下にまとめました。
項目 | 期間工 | 派遣社員 |
---|---|---|
日給 | 10,450円 ※時給換算1,306円(8時間) | 時給1,500~1,800円 ※8時間勤務で12,000円~14,400円 |
慰労金・祝い金 | 総額300万円(時期による) | 40万~80万円(時期による) |
手当 | 食事補助:約10,000円 家族手当:子ども1人あたり25,000円 赴任手当:20,000円まで 更新手当:最大200,000円 | 交通費:実費(限度あり) 赴任手当:実費 |
寮 | 寮費・光熱費:永久無料 | 寮費・光熱費:6ヶ月無料 ※残りは実費 |
予想年収(残業+交代勤務) | 1年目:(月給29万+慰労金+手当)×12ヶ月=約460万 2年目:(月給32万+慰労金+手当)×12ヶ月=約490万 3年目:(月給35万+慰労金+手当)×12ヶ月=約530万 | 年収:月給34万円×12ヶ月=408万円 ※残業の変動・閑散期で減額あり |
予想総額(3年) | 約1,480万円 | 約1,200万~1,300万円(祝い金込み) |
日当で考えると、派遣の方が高いです。ただし、派遣は昇給がなく、手当が圧倒的に少ないです。
一方期間工ですが、日当で見ると安めに設定されているのが分かりますね。ただその分、手当が充実しており、慰労金が定期的に貰えます。(上記メーカーでは3ヶ月目、6ヶ月目で後は半年単位で支給)
3年間みっちり働ける人は期間工の方が稼げるでしょう。
期間工は辞めにくい
基本的に、期間工は3年満了を求められています。更新せずに辞めることは可能ですが、派遣が退職する時に比べると良い顔はされないでしょう。
また、派遣で入社祝い金を貰った場合、1年間のみで見ると期間工の方が稼げない可能性も出てきます。
転職活動の繋ぎで短期利用する人は、派遣をおすすめします。
期限の違い
冒頭で触れた通り、期間工は原則2年11ヶ月です。一方で、派遣には無期雇用派遣という制度があるので、同じ工場で期限なく働けます。
クーリング期間の6ヶ月を空けると期間工で復帰できますが、空白の時間ができるのはデメリットといえるでしょう。
とはいえ、派遣は昇給・ボーナスがなく、継続で働けても給料は横ばいです。期間工には経験者手当が用意されている工場もあるので、メリット・デメリットを次の章で見ていきましょう。
期間工のメリット
期間工のメリットは、以下の通りです。
- お金が貯まる
- 満了金・慰労金などの手当てが充実
- 寮完備で快適な1人暮らし
お金が貯まる
一番のメリットは、お金が貯まりやすい点です。ただし、貯蓄をするためには以下のルールを定めておきましょう。
毎月の給料が高いと、どうしても浪費しがちになります。買い食いやネット通販の衝動買い、サブスクなどは見えにくいお金になるので、気付かない内にお金が無くなってしまいがちです。
そして、ギャンブルが好きな人は制限をかけておきましょう。パチンコ・パチスロもそうですが、競馬や競艇といったネット購入できるギャンブルが増えたので注意が必要です。
満了金・慰労金などの手当てが充実
満了金・慰労金や各種手当が充実しているので、短期間で大きく稼げます。事実、未経験からいきなり年収400万円以上稼げるのって期間工くらいですからね。
とはいえ、メーカーによって金額と待遇に大きな差が生じます。仕事のきつさや口コミをチェックしつつ、あなたに合った工場を探していきましょう。
寮完備で快適な1人暮らし
期間工の寮は、基本的に寮費・光熱費が無料です。加えて、生活家電が揃っているので、入寮の際にかかるお金はほとんどありません。
自宅から通うなら入寮する必要ないですが、賃貸契約している人は寮に住んだ方が生活費を抑えられるでしょう。
ただし、期間工の寮にはワンルームタイプ、風呂・トイレ・キッチンが共同の集合寮タイプ、アパートタイプなどに分かれます。
相部屋タイプはストレスがたまりやすいので、応募する際には寮についても調べておきましょう。
期間工のデメリット
期間工のデメリットは、以下の通りです。
- 契約を終えたら退職
- 仕事がきつい
- 残業・交代勤務が基本
契約を終えたら退職
繰り返しますが、期間工は契約が終えると退職です。3年を超えて継続して働くことができません。
そのため、契約終了後のビジョンはあらかじめ計画しておきましょう。遅くても、2年終えた頃には次の準備をしておいた方がよいです。
仕事がきつい
期間工は、とにかく仕事がきついです。稼げるってことは、それなりにしんどい思いをすると考えておいた方がよいでしょう。
余談ですが、私は派遣として大手自動車メーカーで働きました。覚えるハードルは低いものの、どの工程も半端なくきつかったです。
そして、期間工の人たちは正社員の人たちと一緒に工場の改善業務なども行っていました。残業手当が付いてその分稼げますが、派遣に比べて疲労が蓄積されやすいです。
残業・交代勤務が基本
上にも書きましたが、期間工は残業が基本です。加えて、メーカーの仕事は交代勤務が多く、夜勤が当たり前にあります。
夜勤未経験の人に忠告しておきたいのが、明るい日中の睡眠は結構しんどいです。ホルモンバランスが乱れるので、途中で起きたり寝付けなかったりして熟睡ができません。
しかも、夜になると人間眠くなりますからね。寝不足+人間の仕組みが重なるので、慣れるまでは大変だと考えておきましょう。
期間工と派遣はどっちがいい?
答えは「人によりけり」です。どちらにもメリット・デメリットがあり、一概に良し悪しを決めることはできません。
以下のチェックリストを参考にし、あなたに合った働き方を選びましょう。
期間工がおすすめな人
期間工に向いている人の特徴は、以下の通りです。
期間工は、求人に限りがあります。そのため、どの仕事も同じようにきついと考えておいてください。
ただその分、派遣に比べて稼ぎは大きいです。3年間みっちり働けば、貯金500万円以上も夢ではありません。
派遣がおすすめな人
派遣に向いている人の特徴は、以下の通りです。
派遣は、期間工に比べて求人が圧倒的に多いです。身体の負荷が少ない軽作業だってあるし、プライベートを重視した定時の仕事だってあります。
その分期間工より給料が少ないですが、軽作業でも平均時給は1,254円(参考元:求人ボックス)と意外に高額です。
柔軟な働き方は派遣の方ができるので、派遣会社にどんな仕事があるか相談してみましょう。
期間工によくある質問
- Q期間工はやめとけと言われる理由は?
- A
「職歴にならない」「長く働けない」「若い内しか働けない」などがあります。
要するに、安定した職じゃないってことです。派遣も同様ですが、次なるステップを考えた上で働きましょう。
- Q女性でも期間工で働ける?
- A
期間工は女性も働けます。
実際に、女性活躍中の期間工の求人は存在します。ただし、肉体労働が中心となる製造メーカーでの雇用率は低いです。
一方で、部品メーカーや電子メーカーなどは女性期間工の雇用率が高まるので、着目して求人を探してみましょう。
まとめ
本記事では、期間工について解説しました。3年までしか働けませんが、収入面を考えると派遣よりメリットが大きいでしょう。
とはいえ、派遣には派遣のデメリットがあるし、期間工には期間工のメリットがあります。そのため、どちらがいいかの答えは「人によりけり」って感じですね。
期間工に興味がある人は、直接応募するより仲介業者を交わした方が採用率が高まります。あなたに合ったお仕事も探してくれるので、まずは相談してみてください。
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