雇用保険と聞くと、なんだか正社員だけの保険のようで派遣社員には縁がないように感じますよね。
しかし、実際は派遣社員も雇用保険に加入できます。
この記事では、派遣社員が雇用保険に加入できる理由について詳しく解説します。加入条件や失業手当の受け取り方法も併せて説明するので、ぜひ参考にして下さい。
【本記事で知れること】
派遣社員でも雇用保険に加入できる
先に結論をいいますと、派遣社員は雇用保険に加入できます。
なぜなら、定められた基準を満たした労働者には雇用保険の加入が法律で義務付けられているためです。
要するに、加入できるできないの問題以前に加入しなければならないってことですね。加入の義務に雇用形態は関係なく、パートやアルバイトにも適用されます。
ただし、派遣社員の場合にはクリアしなくてはならない条件があります。早く条件を知りたい人は、こちらをクリックしてください。
そもそも雇用保険とは?
雇用保険とは、労働者が失業や休業を余儀なくされた時のための社会保険になります。雇用保険に加入している場合、失業した際に失業手当が受け取ることが可能です。
この失業手当は、失業者への生活保証を主な目的としています。考え方を変えると、再就職へ向けた準備期間の資金ともいえますね。
また、一般的には失業手当と呼ばれることが多いですが、正式名称は求職者給付です。
求職者給付以外にも、以下のような給付制度が含まれています。
- 教育訓練給付
- 就職促進給付
- 雇用継続給付
労働者のためのセーフティネットが雇用保険制度です。
雇用保険の負担割合
2024年現在、雇用保険の負担割合は労働者の負担、事業主の負担ともに6/1,000となっています。6/1,000をパーセントに直すと0.6%です。
しかし、一部の事業(農林水産、清酒製造、建設など)では7/1,000、つまり0.7%が採用されています。
一般的には0.6%が負担割合の認識で問題ないでしょう。
派遣が雇用保険に加入できる条件
冒頭で、派遣社員は雇用保険に加入するために条件があるとお話ししました。以下2つが条件に該当します。
- 同一派遣会社で31日以上勤務
- 週の所定労働時間が20時間以上
順番にご説明していきます。
同一派遣会社で31日以上勤務
日雇い派遣の原則禁止に基づき、一部の例外を除いて派遣社員は31日以上の契約期間が約束されています。
結論、雇用保険の加入前提に30日以下の派遣契約はできないってことですね。
日雇い派遣の原則禁止については下記の記事を参考にして下さい。
つまり、この条件は一般派遣なら自動的に満たすことになります。
週の所定労働時間が20時間以上
週の所定労働時間が20時間以上ということは、5日勤務として一日4時間労働ということになります。
一日4時間というのは、派遣でもレアケースな労働時間です。
基本的には8時間労働になるので、普通に働いていればこちらの条件も自然と満たすことになります。
派遣が失業手当を受け取れる条件と申請方法
この章では、派遣が失業手当を受け取ることのできる条件と申請方法についてご説明します。
受給までの日数や金額もまとめたので、ぜひ参考にしてください。
失業手当を受け取れる条件
失業手当を受け取るには、以下の条件を満たさなければなりません
被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のことです。一般的には、被保険者期間の条件を満たしていれば問題ありません。
極端な話、再就職の意思は「働きたいけど仕事が見つかっていない」と言えば真偽を確かめることはできませんからね。
また、理由が倒産・解雇の場合や契約期間満了後に契約更新をしてもらえなかった場合は、被保険者期間が「離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算半年以上あること」に軽減されます。
自己都合退職より会社都合退職の方が条件が軽いと覚えておきましょう。
受給までの待機期間と給付日数
給付条件と同様、自己都合退職と会社都合退職で異なります。まずは、以下の比較表をご覧ください。
項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|
給付までの待期期間 | 7日+2ヶ月後 | 最短7日後 |
給付日数 | 90日~150日 | 90日~330日 |
要は、会社都合の方がすぐ受給できて総額も多いってことです。
自己都合の場合だと、一般的には3ヶ月かかるといわれています。加えて、給付日数150日は20年以上勤続が条件なので、大体の人は90日しかもらえません。
低い納付率にもかかわらず割のいい失業手当ですが、生活の足しにしかならないと覚えておきましょう。
失業手当の金額
失業手当の金額は、年齢と1日あたりの賃金で決定します。上限額は、以下の通りです。
- 29歳以下:7,065円
- 30歳~44歳:7,845円
- 45歳~59歳:8,635円
- 60歳~64歳:7,420円
受給金額は、基本的に賃金日額の50%~80%です。年齢ごとに定められているので、詳しくは参考元記載の厚生労働省のページでご確認ください。
申請方法
失業手当の申請方法は以下の通りになります。順を追って書いてありますので、参考にして下さい。
- 住んでいる地域のハローワークに求職申込みをする
- 派遣会社から離職票をもらう
- 離職票をハローワークに提出
- 受給資格確認後、受給説明会を受ける
- 雇用保険受給資格者のしおりをもらう
- 雇用保険受給資格者証、失業認定申告書をもらう
- ハローワークから第一回目の失業認定日を知らされる
- 失業の認定まで求職活動を行う
- 4週間に1度、失業の認定が行われる
- 失業認定申告書に求職活動の状況等を記入し提出
- 雇用保険受給資格者証も失業認定申告書と同時に提出
こうして見てみると、とても長い道のりのようですが、申込みと提出合わせて計4回です。
記入漏れなどがないよう、書類を作成しましょう。
参考元:ハローワークインターネットサービス|雇用保険手続きのご案内
派遣の雇用保険によくある質問
- Q日雇い派遣でも雇用保険に加入できる?
- A
加入できます。
ただし一定の条件を満たしていることが条件です。
- Q雇用保険に加入できるメリットは?
- A
失業した際に失業手当を貰えることです。
そのためには賃金×0.6%を毎月支払う必要があります。
- Q雇用保険に加入済みか確認する方法は?
- A
給与明細書を確認するのが一番早いです。
それでも不安な場合はハローワークで確認することができます。
- Q派遣の雇用保険ってどこに加入しているの?
- A
雇用保険は国が管理する社会保険です。
ですから、どこという問いには日本という回答になります。
まとめ
雇用保険についての記事でしたが、いかがでしたでしょうか。
派遣社員でも雇用保険に加入できることがお分かり頂けたと思います。雇用保険に限らず、保険って入っておくと安心ですよね。
派遣社員の方で上記の条件を満たしている方は、一度雇用保険に加入しているか確認してみてください。
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