日雇い派遣が原則禁止の理由とは?単発バイトとの違いや例外についても解説

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  • 日雇い派遣って禁止されているの?
  • 単発バイトとの違いはなに?
  • 一般派遣との違いも気になる

結論からいうと、日雇い派遣は今の日本では原則禁止となっています。とはいえ、あくまで原則なので、例外される業務も存在します。

でも、労働する側からすると、単発バイトや一般派遣もあって違いがわかりづらいですよね。

そこで本記事では、日雇い派遣の定義と許容されるケースについて解説します。ぜひ参考にして下さい。

【本記事で知れること】

  • 日雇い派遣の定義
  • 原則禁止の理由
  • 日雇い派遣が許容される例外

日雇い派遣とは

日雇い派遣とは

日雇い派遣とは、30日以内と短めの期間のみ契約する派遣のことです。別称「スポット派遣」とも呼ばれています。

さまざまな職種に求人がありますが、とりわけ工場での軽作業やイベント・セミナーの受付・準備などの案件が多いことが特徴です。

かつては労働者側も会社側も、この働き方を良しとして労働と雇用に従事していました。

しかし、あまりに契約期間が短期であることから、労働者の収入が安定しません。そのため、結果的に社会問題として取り沙汰され、次第に禁止される方向へと向かったのです。

単発バイトとの違い

一見同じように見えますが、日雇い派遣は派遣会社と契約しているのに対して、単発バイトは就業先の会社との契約という大きな違いがあります。

結論、雇用主が違うということですね。

よって、仮に全く同じ仕事をしたとしても、給与に違いが出てきます。また、労働条件も契約によって変わるので、働く前に一度比較しておきましょう。

一般派遣との違い

一般派遣は31日以上の契約期間が約束されているので、単純に契約日数が違います。

社会問題の1つとして「収入が安定しない」と上記で触れましたが、この契約期間が大きな要因ですね。

やはり、31日以上の給与が確定している一般派遣の方が、収入の安定へ繋がります。

しかし、違いは契約日数だけであり、派遣会社から派遣されて労働することについては違いありません。

日雇い派遣が原則禁止の理由

日雇い派遣が原則禁止の理由

冒頭でもご説明しましたが、日雇い派遣は一時的に社会問題になりました。

問題視され始めたのは、2008年のリーマンショック。リーマンショック以降、皆さんご存知の通り日本も不景気の一途を辿っていきました。

この頃から、収入が不安定な派遣という雇用形態は問題になり、ワーキングプアや派遣切りといった言葉も出てくるようになります。

そして、日雇い派遣が問題視された要因は、主に4つ。

  • 30日以内の契約で社会保険に加入できない
  • 短期間で次の就業先を探す必要がある
  • 求職期間の収入が保証されない
  • 就業期間の短さゆえの労働災害事例

これらのことから、2012年に労働者派遣法が改正され、日雇い派遣は原則禁止と定められました。

ただその結果、派遣労働者の中長期的な雇用が約束され、派遣でも安定した収入を得られるようになったのです。

時代背景の要因が大きいですね。

日雇い派遣には許容される例外がある

日雇い派遣で働ける例外業務と条件

日雇い派遣には、短期間の派遣労働が可能とされる例外がいくつか存在します。

下記で詳しく解説するので、目を通しておきましょう。

特定の業務

厚生労働省から認められている特定の業務であれば、日雇い派遣として働けます。

全部で18業種あり「専門的な分野における業務」「短期の契約が適切とされる業務」に限定されています。

【例外とされる18業種】

  • ソフトウェア開発
  • 機械設計
  • 事務用機器操作
  • 通訳、翻訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 受付・案内
  • 研究開発
  • 事業の実施体制の企画、立案
  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • OAインストラクション
  • セールスエンジニアの営業、金融商品の営業

参考元:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644420.pdf

上記18業種は「短期業務を余儀なくされる」「急な要請を求められる」といった妥当と判断される理由があります。

加えて、どれも専門的な知識やスキルが必要であり、収入・雇用が他職種に比べて安定しやすいです。

また、短期契約の慣習化も1つの要因ですね。業種の名前を見るだけでも、特殊性や専門性がある仕事だということが伺えます。

例外の条件を満たす

業務内容以外にも、人材の条件として例外が存在します。下記に該当すれば、日雇い派遣として働くことが可能です。

  • 60歳以上
  • 雇用保険の適用外となる学生
  • 副業で従事
  • 主たる生計者ではない

さまざまな条件があるので、1つずつ見ていきましょう。

60歳以上

満60歳以上は、雇用促進のために例外とされています。主な要因は、少子高齢化社会に伴い、高齢になっても働かなくてはならない人が増加してきたからでしょう。

また、派遣契約には定年がありません。そのため、健康上問題がなければ、何歳になっても働き続けられます。

雇用保険の適用外となる学生

学生は学業が本業とされ、社会人のように昼間働くことができません。そのため、日雇い派遣の仕事が生活基盤にはならないと考えられています。

結果、雇用保険の適用外となる学生は例外とされています。ただし、以下2つに該当した場合は、例外として認められず、日雇い派遣で働けません

  • 日中は働ける夜間学部の学生
  • 雇用保険に加入する昼間学生

条件に該当するか、今一度確認しておきましょう。

副業で従事

本業とされる最も大きな収入源が500万円以上ある人のみ、副業として日雇い派遣で働けます。

主な要因は、副業の雇用が安定しなくても生活が困窮しないと考えられているためです。

実際に、これだけ大きな収入がある本業をおろそかにしてまで、副業に時間を費やす人はいないでしょう。

もちろん、499万円以下で兼業する場合は不可なので、念頭に置いておいてください。

主たる生計者ではない

世帯年収が500万円以上かつ主たる生計者でない方も例外として認められています。主たる生計者とは、世帯年収の50%以上の収入を稼ぐ人を指します。

例としては、旦那さんが年収300万円で世帯年収が500万円なら、旦那さん以外の家族は主たる生計者にはあたらず、日雇い派遣として働くことができるわけです。

要因はやはり「困窮するとは考えられない」ことですが、その他の働き方もあるので、比較しながら長い目で見て選んでいきましょう。

まとめ

日雇い派遣の原則禁止についての記事でしたが、いかがでしたでしょうか。禁止された背景には、やはり日本の景気事情が大きく絡んでいます。

結果的に日雇い派遣で働くのは厳しいですが、短期的な働き方は他にもあります。また、長く働ける一般派遣を選んだ結果、適職と出会えるかもしれません。

人それぞれ望む仕事は違うので、あなたに合った生活が楽しいと思える働き方を探していきましょう。

プロフィール
この記事を書いた人
やなし

1987年福岡県生まれ(2024年現在37歳)
中卒で建設業に就職し、26歳で建設業とBARを同時進行で自営スタート。
32歳に経営破綻。
その後、派遣会社2社、工場3件を渡り歩く。
2021年8月にWEBライターフリーランスへ。

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